鬱の診断を受けたら|専門医の力を借りて治療に励みましょう

女性医師

気分の浮き沈みを治す

背のびをする女性

メンタルヘルスの問題が社会的に注目されるようになり、専門の医療機関にかかっている方もたくさんいます。特に「鬱」の問題は、老若男女を問わず多くの世代で存在し、かつ、深刻化しやすい問題です。鬱の問題が深刻化する理由の一つに「再発」の問題があります。つまり、一度症状が良くなったとしても、再度症状が現れてしまうのです。これには様々な要因が考えられていますが、その中の重要なものとして「正しい診断がなされているのか」といったものがあります。鬱とは一般的には「気分の落ち込み」や「意欲の低下」などを指している場合が多いですが、医学的診断においてはより細かい分類に分けられます。例えば、強い気分の落ち込みを主とする「うつ病」、気分の落ち込みと高揚を繰り返す「双極性障害」、抑うつ気分が慢性的に持続する「気分変調障害」などがあります。また、他の病気を併発して鬱が現れる場合もあります。不安を主とする「不安障害」、状況のストレスが原因となって鬱が生じる「適応障害」、また先天的な発達の偏りによって適応困難をきたす「発達障害」などが、いわゆる鬱を併発しやすい精神障害と言えます。では、何故このような細かい診断に分かれており、正しい診断を行うことが重要になるのでしょうか。

何故正確な診断が必要とされるのか。その答えは、それぞれの診断によって治療法が異なるためです。現在の日本の精神科治療では、鬱の治療においては主として薬物療法が用いられます。しかし、「鬱」といっても何にでも効く薬物があるわけではなく、それぞれの診断に合わせた薬物を用いることが治療効果を高めることが分かっています。逆に考えると、正しい診断がなされないと回復に向かわない可能性があると言えます。非常に簡単な例を挙げると(実際の診断や治療はより綿密な診察の元に行われます)、「うつ病」の治療には抗うつ薬が効果的と言われていますが、「双極性障害」では抗てんかん薬が効果的であると言われています。また、適応障害では症状の緩和のために薬物が用いられることはありますが、不調の主な原因は周囲のストレス環境にあります。そのため、薬物療法だけでは不十分であり、周囲の環境調整や個人の考え方や行動の仕方を再検討するなど心理社会的療法が重要になります。このように診断に合わせて効果的な治療法が異なるため、正確な診断は「鬱」を治す上で非常に重要なポイントになるのです。